游墨春秋77宣示表(せんじひょう)三世紀(三国時代)
【原文】
魏の鍾繇の作品と伝えられる。鍾繇の書は、書聖‧王羲之も学んだとされる。現在に伝わる鍾繇の書の最も有名なものとして『薦直表』(前)と『宣示表』も種々刻本が伝来する。一般的なものとしては、『淳化閣帖』に載すものが有名である。図版に示したのは、宋の『賈似道刻本』とされるものであり、一般に知られていない。『淳化閣帖本』や他の刻本と比較してみると、筆勢が自然で古意豊かな書風である。『宣示表』の最も優れた刻本であると考えている。十数年前に、この『宣示表』を『木鶏室金石拾遺集』第二として刊行した。
【粗譯】
據傳是魏國鍾繇的作品,鍾繇的字書聖‧王羲之也學習。現在流傳鍾繇的書法最有名的有〈薦直表〉(前)及〈宣示表〉,各種刻本都有流傳。一般是以《淳化閣帖》所登載的最有名。圖版所示的是宋代「賈似道刻本」,一般鮮有人知。與《淳化閣帖本》或者其他刻本比較,可看出此本的筆勢自然,且古意盎然的書風,我認為此〈宣示表〉是最好的刻本。十數年前,此〈宣示表〉曾於《木鶏室金石拾遺集》第二集刊行。
【單字】
鍾繇(しょうよう)は、中国後漢末期から三国時代の魏の政治家・武将・書家。
種々(くさぐさ)⇒いろいろ【色々】種類や品数の多いこと。さまざま。いろいろ。「―の意見」
刻本(こく‐ほん)「版本」に同じ。
伝来(でん‐らい)[名](スル)1外国から伝わってくること。渡来。「仏教は六世紀に日本に―した」2代々受け継いでくること。「先祖―の土地」
『淳化閣帖』(じゅんかかくじょう、『閣帖』とも)10巻は、太宗の勅命によって淳化3年(992年)に完成した。
豊か(ゆたか).とむ【富む】⇒めぐまれる【恵まれる】